小児歯科
私たちは歯科医でありながら、治療することだけにとどまりません。
治療よりも優先すべきは基本に忠実な予防環境作り。
私たちは口内の健康づくりをまず第一に考えています。
成長とともに順次発達する歯と顎
永久歯の生え揃った大人と異なり、乳歯から永久歯に生えかわり、骨格が成長する過程にあるお子様の治療では、
一人一人のお口の中の状況や発達にあわせた治療や口腔内管理を行う必要があります。
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生後半年頃
乳歯の生え始め
口内環境の生成が
スタート -
2歳半前後
乳歯が
ほぼ生え揃います -
4~5歳頃
歯の間の隙間がばらついた状態となり、永久歯が生えてくるスペースが確保されます
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6歳頃
乳歯の後ろ側に
6歳臼歯(第一大臼歯)が
生えてきます -
6~12歳
乳歯と永久歯が
混在する
生え変わりの時期
むし歯の予防・治療、歯のクリーニングに加えて
以下のような点を丁寧に診ていきます。
- 生えかわりは順調か
- 年齢相応に生えかわりは進んでいるか
- 乳歯、永久歯の本数に異常はないか
- 家庭でのきちんとした歯ブラシ習慣が身についてきているか
- 舌の動き、発音、呼吸、あごの成長 等
お子様のお口の中の発育を
総合的に管理していくことが重要と考えています。
小児歯科の診療一例
ごく一部の診療例ですが、以下のような
診療を行っております。
フッ素塗布
フッ素塗布は予防歯科先進国では当たり前のように行われ、むし歯予防にとって欠かすことのできないとても重要なものです。
歯は食事のたびにカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出し(脱灰)、唾液によって溶け出した成分を戻します(再石灰化)。
このバランスが崩れた時に初期むし歯が始まります。
フッ素塗布を行うことによって再石灰化が促進されます。そして、再石灰化の時に表面のエナメル質と結びついてフルオロアパタイトという硬い構造になり、歯を強化します。
乳歯や生えたばかりの永久歯は歯質が柔らかくむし歯になりやすいので、約1〜3か月おきに高濃度のフッ素を歯に塗布することで、徐々にむし歯になりにくい歯にしていきましょう。
シーラント
事前にむし歯になりやすい歯の溝を埋め、大人になるまでの歯をむし歯から守り、歯を削らず処置することが出来る予防です。
子どもは歯磨きが上手にできません。
形が複雑であったり、くぼみの深い磨きづらい部分を中心に食べかすが残らないように、まずは敵から身を守りましょう。
こんな歯におすすめ
・生えたての奥歯の永久歯
・生えたての永久歯の前歯
・奥歯の乳歯
時期の参考に
・4〜5才の乳歯 ・6才の6歳臼歯
・7〜8才の前歯裏の窪み部分
・9〜12才頃生えてくる永久歯
ブラッシング指導
乳歯が生え始める前後から歯ブラシをお口に入れ、
歯ブラシに楽しく慣れていきましょう。
上手にみがけないお子様の仕上げみがきをする保護者の方へ
歯垢を染めて汚れている部位を確認することで、歯ブラシの特に必要な場所がはっきりとわかる「染め出し」を用いての練習も行っています。意識しながら磨くことで、上手に磨けるようになります。
- 1歳半頃〜
1歳頃から前歯が生え揃い、奥歯が生え始めます。奥歯の溝には歯垢(プラーク)が溜まりやすく、むし歯菌もお口の中に定着しやすい時期です。1日1回きちんと歯磨きする習慣をつけましょう。
- 2歳半頃〜
乳歯が生えそろいます。乳歯のかみ合わせが完成すると
6歳前後で永久歯が生えてくるまで大きな変化はありません。
この頃にブラッシングが当たり前の習慣として生活の一部と
なれば、お口の健康はより守りやすくなります。- 6歳頃〜
6歳頃には乳歯の奥に6歳臼歯と呼ばれる永久歯が生えてきます。
奥に生えてくるため発見が遅く、むし歯になりやすいのが特徴です。この6歳臼歯は特に小さい歯ブラシで仕上げ磨きしてあげましょう。
むし歯予防のフッ素塗布、定期検査、歯磨き指導など
継続的なチェックを行い永久歯を正しく誘導していきましょう。